電気の「託送」とは

電気をある場所に送ることを「送電」と言います。送電線などという言葉はもう聞き慣れた言葉でしょう。ではもうひとつ電気を送ることに対して使われる「託送」とはどんなものでしょうか。この記事でご説明したいと思います。

電気の販売会社は自力で電気を送れない

普段みなさんが使用している電気は、どこかの発電所で創出された電気が電線を伝って、然るべき場所を通り、家庭やオフィスに届いていることはご存知の通りです。しかしそれは、全てが契約している電気会社が単独で行っているわけではありません。
たしかに以前は電気会社が単独で行っていましたが、「電力自由化と電気流通の仕組み」で触れたとおり、電力自由化を行う際に、「電気を作る人(発電所や市場)」「電気を送る人(送配電事業者)」「電気を販売する人(小売電気事業者)」にそれぞれ分けられました。

電気の販売会社は自力で電気を送れない
出典:資源エネルギー庁などの複数資料を基に当社で作成

ですから現在は、契約している電力会社が、「電気を送るために別の会社に業務を委託していること」になります。これを「託送」といいます。

「託送料金」は電気を届けるための手数料

各家庭やオフィスで使う電気には託送料金というものが含まれています。電気料金に包括されているケースと、明確にするために託送料金という項目を明細書などにつくってお知らせしているケースなど、各電力会社や契約内容によって顧客へ提示する方法はさまざまです。
その顧客が支払っている「託送料金」が、電気を送るための手数料として、送配電事業者に支払われます。それによって顧客のもとに安全に電気が届けられるしくみになっています。この場合は必ず顧客と送配電事業者との間に小売電気事業者が存在します。
しかし、小売電気事業者を介在せずに託送を行うことも稀にあります。それを「自己託送」といいます。

ハードルが高い「自己託送」

敷地内(オンサイト)に設置した太陽光発電で創出された電気をしようすることを「自家消費」といいますが、違う敷地(オフサイト)にある発電所から自社施設まで自ら送電の手配をすることを「自己託送」といいます。しかしこの「自己託送」はいつかの条件が揃わないと送電できません。
電気事業法と経済産業省令によって、現在自己託送を行えるのは、「密接な関係にある会社間のみ」と定められています。これは自社もしくはグループ会社に限って自己託送を行うことが可能という意味です。
さらに「非電気事業用電気工作物を設置する者」とも限定されています。これは売電するための発電所ではない発電所を「設置・保有」していることを指します。つまり自社またはグループ会社でそれなりの規模の発電所を保有していることをクリアしないと自己託送はできません。
もうひとつ問題なのが、ほかの記事でも書きました「同時同量の原則」です。30分単位の「送電量計画」を事前に立てて計画通りに送電しないといけません。送電できない場合は、ペナルティが課されて余分な料金を支払うこととなります。この「発電計画」「調達計画」「販売計画」は、発電所を買ったからといって、自社で行うにはハードルが高いのです。

「自己託送とは」

自己託送のハードルが高い理由

  • 自ら発電所を保有する必要がある
  • 自社もしくはグループ会社間でしか融通できない
  • 送電量計画など需給調整が必要で、計画通りにいかないと余分な出費が発生する

当社の「ネットゼロダイレクト」をご利用の場合、自己託送の需給管理は当社で請負ますので、自己託送で再エネ電力導入をご検討中の方も、一度ご相談ください。

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