電気の需給管理・インバランスについて

日常で電気代以外意識することのない電気。実は電気を供給するには、緻密で高度な作業が行われているのをご存知でしょうか。この記事では需給バランスの均衡・不均衡が起きたときの対処を、電気の性質と合わせてご説明します。

電気は貯蓄できないので需給を同量にする必要がある

今日び、蓄電池が普及してきて、一般の家庭でも「電気を蓄える」ことが可能になりましたが、元来電気は貯蓄しておくことのできないものです。NAS電池とよばれる大型の蓄電池もありますが、まだまだ大量に留め置くことはできません。
したがって電気の需要と供給は等しくなければなりません。なぜなら他の記事でも説明している「同時同量の原則」があるからです。同時同量のことを英語ではバランシング(Balancing)と言われ、日本でもよく使われます。

需要と供給の同時同量が成立しないと、電気そのものが不安定になり、周波数が乱れ最悪の場合は広い範囲で停電を起こすことになります。それを避けるには2011年の東日本大震災後によく聞いた「輪番停電」や「計画停電」をするか、しっかりと需給を調整するしかありません。

需給管理の重要性

そこで重要になってくるのが電気の「需給管理」です。現代社会で不可欠となった電気を安定供給するには需給管理が不可欠です。需給管理は、翌日の電気需要予測を顧客データから算出し、発電所や日本卸電力取引所(JPEX)などで調達をし、需給を30分値で合わせて行きます。

出典:資源エネルギー庁などの複数資料を基に当社で作成

最終的に計画が出来上がったら、電力広域的運営推進機関(OCCTO)に提出し、これで「計画時同時同量」が成立します。OCCTOはその計画書を取りまとめて、系統を管理する一般送配電事業者へ引き継ぎます。簡単に書いていますが、ここまでの作業でも相当の労力がかかりますが、これで終わりではありません。
提出した計画当日は、計画通りに需給バランスが保たれているかを監視し、ずれが生じるようであれば再度調達し、OCCTOにも計画の再提出をする必要があります。この監視をしてもなお、ずれが発生するとインバランス(不均衡)としてペナルティが課されてしまいます。

インバランスについて

需給管理に不手際があったからといって、度々停電を引き起こすわけにはいきません。
供給する電力が不足した場合(不足インバランスと呼ばれる)は、系統運用をしている電力会社(例:東京電力・関西電力など旧一般電気事業者)から補填されますが、その補填する電気調達費用にペナルティ加算される方式です。

発電所でもインバランスが発生する

インバランスは「電力需給の不均衡」と上でご説明しました。受給企業(需要側)に向けての管理は電力会社(供給側)で行っていますが、電力会社の電気の仕入元である発電所でも「電力需給の不均衡」が発生します。
発電所(供給側)と電力会社(需要側)間の需給計画値に乖離が生じるということです。つまりインバランスが発生する可能性がある場所は2種類あることになります。太陽光発電所の発電計画は毎日提出されますが、刻一刻と変わる気象条件を予測しながら計画値を算出するため、こちらも非常に難易度が高い業務です。
この場合も、変更都度に計画を修正します。最終的に供給日当日にインバランスが発生した場合は、系統運用をしている電力会社で調整され、インバランスのペナルティ精算を行う必要があります。

インバランスを発生させると企業の損失が拡大する

この記事では需給管理の概要と、需給の不均衡「インバランス」についてご説明しました。需給管理や発電計画をしっかりしないと、結果的に無駄なコストがかかってしまい、企業の損失にも繋がります。
電力会社が需給管理を行っていも発生することのあるインバランスですから、需給管理はとても重要で高度なスキルと言えます。